昨年までの飼料高騰でも明らかになりましたが、輸入飼料 |
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▲(株)パル・ミート
牛・豚肉課 鈴木さん
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に依存している日本の畜産の基盤は脆弱と言わざるを得ま |
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せん。トウモロコシなどを配合する濃厚飼料の自給率はわず |
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か10%。今後も日本の畜産を持続させていく鍵は、飼料自 |
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給率を拡大させていくことが肝要です。そこで近年自給飼料 |
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として新たに着目されているのが「コメ」です。休耕田や耕作 |
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放棄地で飼料米をつくれば、飼料自給率の向上につながり |
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ます。 |
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パルシステムでは産直産地の生産者ポークランドグルー |
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プ(秋田県)と協力して、2007年度から「日本のこめ豚シリ |
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ーズ」として、肥育期間中、飼料米を約10%配合した飼料を与えた豚肉をブランド化し、供 |
給を続けています。更に2009年度は「日本のこめ豚(仕上期こめ配合70%以上)」と称し |
て、肥育期間中の飼料に入っている穀類を全て「コメ」に置換えて育てた豚も生産し、10 |
月4回からインターネット限定で供給をしています。 |
そして2010年度2月からは「日本のこめ豚シリーズ」を定番商品として、毎回供給出来る |
態勢が整いつつあります。 |
パルシステムグループの中で「日本のこめ豚シリーズ」は着実に浸透しつつありますが、 |
今後も飼料米の利用を継続していくには、稲作農家と畜産農家の連携が欠かせません。 |
「日本のこめ豚シリーズ」の開発を通して、稲作農家からは「地域の水田を守るために増や |
せるならもっとやりたい」「普通の栽培と同じで、田植え機なども使えるので、生産調整拡 |
大に適用しやすい」「田んぼに稲が実るのはやはり気持ちの良い風景だ。田んぼを荒らさ |
ずに済むからありがたい」と言った声が上がっています。一方畜産農家からは「飼料米の |
利用が進めば地域の休耕田をなくせる」「飼料自給率の向上と、水田利用の一石二鳥に |
つながる」と言った声が上がっています。 |
自給飼料の拡大。そのための生産者の連携。そしてその意義を消費者に理解してもらう |
こと。いずれも持続可能な畜産を目指した挑戦です。 |